7・24緊急デモ
学習集会
7月8日、奈良市内で街頭演説中の安倍元首相が、41歳の元海上自衛隊員に銃で狙撃され死亡する衝撃的事件が起こりました。狙撃した人物は動機について、勝共連合=統一教会に母親が入信したことで家族と人生が破壊されたと述べています。統一教会に安倍元首相がメッセージを送っているのを見てつながりがあると考え、殺してやりたいほどの恨みをもったということです。その後の報道では、母親が統一教会に1億円以上の寄付をし続け、実際に家庭が破綻したことで大学に進学できず、自衛隊への入隊を余儀なくされたなど、徐々に背景が明らかになってきています。
■生きられない社会をつくったのは誰だ!
岸田政権と自民党は、参院選の最終盤で発生したこの事件に対し「許されない蛮行」「民主主義を守り抜く」「安倍元総理の遺志を引き継ぐ」などとマスコミをも駆使して大キャンペーンし、自民党を“民主主義の旗手”かのように描き、遺志継承=憲法改悪への流れをつくりだしています。
しかし、私たちは「安倍一強」と呼ばれる中で行われてきた、改憲と戦争、差別と抑圧、生活破壊と治安弾圧の強化などの政治が、免罪され美化されることは絶対に認められません。国葬など絶対反対です。
安倍政権の8年8カ月で何が行われてきたのか。第1次安倍政権での教育基本法改悪と公教育バッシングこそ今日の「学校崩壊」を引き起こしている原因です。さらに第2次安倍政権では集団的自衛権行使容認の閣議決定と安保戦争法の強行成立、沖縄県民の民意を文字通り踏みにじる沖縄・辺野古への新基地建設の強行などの戦争政治を行いました。内閣人事局を使った官僚支配で「忖度」の政治をつくりあげ、森友・加計疑獄など明るみになった数々の不正・腐敗事件も何も決着していません。2度の消費税増税、コロナ禍が暴き出したエッセンシャルワーカー=労働者の総非正規職化の現実など、人々が生きられない現実をつくりだしたのも安倍政治です。どれもが言ってみれば歴史を画する「蛮行」「民主主義の破壊」ではないですか。
今、焦点となっている安倍と統一教会との関連も、祖父・岸信介にさかのぼる密接な関係です。霊感商法などで人々の人生を破壊した資金で、封建的価値観の復権や憲法改悪運動を戦後一貫して推し進めてきたという腐敗した政治が改めて暴かれています。
■ウクライナ戦争は世界戦争の始まり
今が、いかなる時代であるのかを見据えることが大切です。今年2月24日から始まったウクライナ戦争は、突然始まったわけではありません。没落と国内分断の危機を深める米国が、ロシアに対してはNATOの東方拡大で圧力をかけ、中国に対しては日米一体で軍事重圧をかけ続ける中で起こっていることであり、米国の世界戦争計画の一環なのです。
日本は米国とともに、対中国侵略戦争に自らの延命をかけて参戦することを決断しています。すでに自衛隊の軍事要塞化が進められている沖縄・南西諸島について現地メディアは「沖縄戦再び」と報じているほどです。防衛費2倍化も核共有も改憲も中国侵略戦争のためなのです。どれも首相退陣後もなお、安倍が強力に推進してきたことでもあります。
今行われている安倍賛美は、岸田政権による挙国一致で改憲と戦争へ突き進む攻撃です。治安弾圧・労働組合破壊もこれまで以上に激化することは不可避です。銃撃事件と参院選で情勢は激変しました。改憲・戦争絶対反対、岸田・自民党政権打倒を強く訴えるべき時がきています。今こそ、一緒に声をあげましょう。